ドイツで就職活動!【大学準備ビザから就労ビザへの切り替え編】
必須書類の矛盾に悩み、思い込みの恐ろしさを知るの巻。

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Guten Tag! わざとらしい写真ですみません👍

ドタバタてんてこまい時々どん底の就職活動記録。

 

第一回の履歴書・職探し編

第二回の面接対策編

 

に続き、最終回として、あまりネットにも情報が出ていない?!「学生用ビザから就労ビザへの変更」の全貌について書いていきます!!

面接もドキドキでしたが、ビザ変更が一番気を揉んだことかもしれません。

長くなるわよ!!!

 

外国人として就労するということ

 

どんな形態で働くにしても、お金を稼ぐなら滞在許可が就労可能なものでないといけません。

 

世話になっている国に税金も払わずにお金だけ稼ぐなんて、虫のいい話はありませんぞ。(ミニジョブを除く)

 

私が持っている「学生準備ビザ」は、初年度は「休暇期間中以外は就労不可」。2年目からは「年間120日、半日労働なら240日まで就労可能」という条件です。

 

よってフルタイムで働けるビザに変更する必要があります。

 

そしてドイツでは、就労ビザ申請に必要なのが雇用契約書と連邦雇用庁(Bundesagentur für Arbeit)に提出する雇用宣言書

 

つまり、「まだ就職先決まっていませんが働きたいので新しく就労ビザくださーい」というわけにはいきません。

 

そのために「求職者用の滞在許可」や新登場の「チャンスカード」があります。いずれも有期限で、フルタイムでは働けません。

 

なので仕事選びでは、就労可能な滞在許可が必須なのか。持っていないなら会社が何かしらサポートしてくれるのか。は、初歩的な大事なポイントです。

 

でも「ビザサポート」って結局何なんだ

 

日本人向けの求人で見かける「ビザサポートあり」の文字。

 

ドイツでの就労ビザとは「外国人局の許可」+「連邦雇用庁の許可」の2種類が必要です。まず本人が外国人局で全書類を提出し、問題なければ、外国人局から雇用庁へ書類が審査に回るという流れのはずです。

 

そのため、「ビザサポートあり」=会社が代行するというのはピンと来ません。

 

公式には書かれていないと思いますが、アメリカやイギリスなどの就労ビザで言われる「スポンサー」という意味なのでしょうか。

 

私が応募した求人もビザサポートあり、とのことで安心はしましたが、その正体はいまいちわからない。学生からの切り替えに理解や実例があるのだろうと、そのくらいのイメージで進めました。

 

また、全て終わった今実感しているのは、

欠員などで急を要するから求人を出すのであって、会社的にはビザ取得のために3ヶ月など待つくらいなら、就労ビザを既に持っている人を雇いたいだろうな、ということです。だからビザサポートあり、というのは何はともあれ大変ありがたいことです。

 

1日でも早くビザを切り替えたい

 

面接が5月初旬〜中旬。無事内定をいただき、6月から働き始めてほしい、と言われました。

 

ところがどっこい。調べてみたら、

・就労の場合はメール申請ではダメ。

本人が外国人局で申請する必要があり、オンライン予約との戦いがまた始まる。

・会社が加入するスピード手続きシステム(有料)もあるらしい

=でも多分、人手が足りない専門分野や大企業向け。

 

つまり、2週間やそこらで、ビザの切り替えなんて無理なのです。

やっべー、マッハで終わっても2ヶ月くらいかかるじゃん。来月から働くとか無理じゃん。

 

でも、例えば8月から就労開始では、会社的にはちょっと遅いそうで・・・。

 

ここから、「なる早で就労開始 VS 永遠に空席がない外国人局予約+何ヶ月かかるかわからない審査」が始まるのであった。

 

怪しげなサイトがもっと怪しくなっていた。外国人局の予約

 

一にも二にも、まずは外国人局のオンライン予約。

しかし言うまでもなく、朝から晩まで予約画面を見るも空いてない、の繰り返しです。

 

また、「なる早で就労開始という場合の解決策はないか」、問い合わせするも返事はなく。知ったこっちゃないよね・・・。忙しいもんね・・・。

 

連邦雇用庁は電話番号を公開しているので聞いてみたら「外国人局に聞いてください」って。外国人局が教えてくれないから電話しているのだが・・・。

 

埒が開かないので、ついに有料で予約を取ってくれるあの人たちのサイトを見てみました。

しかし、

 

前まで成功報酬だったのに、予約が取れるかもわからないのに先払い式になっている・・・。

 

お金が勿体無いというより、違法だったり詐欺だったら悔しいので、頼るのはやめました。

 

 

そんなこんなでしたが、毎朝7時前後に見てたら2週間先くらいの予約が取れました。忘れもしない、予約サイトを見たのは木曜日の朝6時半です。朝イチ説はほんとかも!

 

よし、とりあえず予約は取れた。もう8割勝ったようなもんダ。

 

次は書類の準備!

 

企業に雇用される滞在許可には何種類かあります。

 

EUブルーカード

ドイツが認める大卒資格を所有しており、要高資格、高収入の専門性の高い職業(ドイツで不足しているITや医療、その他理系分野が中心)のための滞在許可。ドイツに限らずEU加盟国で有効。

 

 

②職業訓練や高等教育を受けた熟練技能労働者のための滞在許可

ドイツが認める専門資格・大卒資格を所有している労働者・専門家のための滞在許可。

※2023年末に法律が改正され、医療や士業を除き、必ずしも職業が資格と関連していなくてもよくなったそうです。結構凄いことだぞ!!

 

 

③特定の国民の雇用のための滞在許可

「オーストラリア、イスラエル、日本、カナダ、大韓民国、ニュージーランド、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国、アメリカ合衆国の国民は、ビザなしで入国後、資格の有無に関係なく」就労ビザを申請できます。

 

 

(配偶者やフリーランス、自営業などは割愛します。)

 

本当に自分の調べ不足と思い込みを猛省するしかないのですが、私は③を知らず、②の大卒資格で申請するものだと思っていたのです。実際そうしました。

③があるのに・・・。

 

必須書類に潜む矛盾AB

どの滞在許可を申請するにしても、雇用契約書と、雇用宣言書という企業に書いてもらう専用フォームの提出が必須です。

 

ところがですよ。

 

矛盾A

契約書や雇用宣言書に就労開始日が書けない

今のところ就労ビザはメール申請NGなので、物理的に外国人局で申請しなければ何も始まりません。しかし、いつ外国人局の予約が取れるかわからないのです。そもそも取れるかすらもわからない。だから、就労開始日が会社も私もわかりません。例えば予約が取れても3ヶ月以上先の場合、そこから審査して、実際に働き始められるのが半年先というケースも考えられなくはない。これじゃあ会社も困っちゃうでしょうよ!!

 

 

矛盾B

健康保険に入れない

就労ビザにはドイツの法的健康保険かプライベート保険への加入が必須です。プライベート保険には加入可能な最低年収ラインがある。つまり高所得者用なので、平民の私は法的健康保険に入ることになります。

ビザの必要書類には、その法的保険の加入証明書が含まれています。が、繰り返しますが、就労開始日が決められないので加入できないのです。しかも「写真付き電子カード」も必要だってさ・・・。これもカードが届くまで1ヶ月とかかかるそうで。

 

何かのミラクルで加入はできたとしても、外国人局の予約までにカードなんて絶対間に合わないオワタ。

 

問い合わせにも返事がないし、周囲の人にも同じケースがなくて、解決策は見つかりませんでした。

 

外国人局には書類不備で行くしかありません。でも、書類不備=差し戻しされると事前にわかっていながら提出するって、こんな滑稽なことありますか????

 

差し戻しになったらまた予約から始めなきゃならない。しかも最近、予約画面が頻繁に繋がらなかったりで、ついにシステム崩壊か。サービス終了も近そうだ。(改善に本腰を入れているのかも)

 

もうわけわらかん。

 

「就労可能なビザを持っていて、あなたより経験がある人がいますので内定取り消します」という未来もあり得るかも。と嫌な方ばかりに想像が膨らむ。

 

結局どうしたかというと。

矛盾Aは会社がカバーレターをつけてくれて「滞在許可がおり次第就労開始」という文を入れてくれました。契約書やその他の書類の就労開始日は空欄です。

 

矛盾Bは、もっとどうしようもないので加入せずにいきました。その代わり、今入っている留学用保険の加入証明書を持っていきました。それしかできないんだもん。会社からは事情を現場で説明するようにと言われました。

 

提出書類に限って言えば、②と③の違いは資格の証明書を出すか出さないかだけです。

なのでもし③の存在を知っていて、③で申請したとしても、同じ問題にぶち当たったはずです。

 

魔のAnabin

はじめから③で申請していれば悩む必要がなかった点も書いておきます。

 

②で申請する場合、ドイツ国外の大学を出た人は「ドイツの大学の学位に匹敵する大学の学位を持っていることの証明」が必要です。Anabinで母校の評価を調べられますが、ここでも問題発生。

 

大学自体は「同等」だが、卒業した学部はリストにない。

 

でもAnabinには「全学部を網羅することなど不可能、リストにないからと言って学位が存在しないというわけではない」という微妙な救いの言葉も書いてある。

 

ブルーカードで働く場合は、学位まで証明が必要なようです。でも②とブルーカードの要件で、学位証明に関する文面に別に差はない。つまり私の大卒資格はドイツじゃ使えないってことかも。

そういう人はZABという機関で審査してもらえます。が、審査には3ヶ月かかる(笑)。

 

はあ・・・(漆黒のため息)。

 

それに必要書類も眩暈がするような量で、高校の卒業証明書などが必要なのです・・・。

急いで日本の家族に郵送をお願いしました。

 

そもそも審査に3ヶ月かかる時点で間に合わないのですが、「もしあの時書類だけでも用意していれば・・・」と後悔したくなかったので。

 

外国人局の予約日までは1週間ほど。やろうと思えば対策できる時間があったのも、不安を駆り立てた要因です。

 

そして日本から書類が届いたのは予約日の確か前日。(ありがとうな、DHL)

 

結局審査には出していませんが、事情を説明できるように、外国人局には審査に必要な書類を全部持っていきました。

 

この問題は今も答えがわかりません。ただ専門職でなければ③で申請すればいいので、悩む必要ないです。

 

通訳さんのおかげで判明した③の存在

 

と、まあ色々な事情を的確に説明して理解しなくてはいけない状況なので、今回も通訳の方に同行をお願いしました。

 

概要を説明したら、②は大抵医者や弁護士のことを指すそう。今回のケースで当てはまるかわからないなあ、と。

 

えええええ、まさか申請種類から出直しだとーーーー。冷や汗たらーーーーー。

 

②のドイツ語であるFachkräfteをそのまま専門職と受け取ればいいものの、「熟練労働者」という謎の翻訳も出てきます。そのため、自分は専門職ではないけど、関連する職歴があるからこれを選ぶしかないと思っていました。

 

まあでも、行ってみましょうということで、面談開始。

 

そしたら案の定、外国人局の担当者曰く、ポジションや給料的にFachkräfteには該当しない可能性があると。私のような平社員ではなく、資格職やマネージャーなど管理職向けのビザだそうです。その代わり、日本国籍なら資格なしで申請できる方法があるので、その2つの選択肢で雇用庁に審査を回しておきます。

 

と言われました。

 

 

ゑ!?そんなのあるの?!😇😇😇 あたふた

 

 

とはいえ、即却下で「出直してこいや」とすることもできただろうに。気を利かせてくれた担当者様まじで神です。

 

で、その普通の仕事向けの申請とは?!

 

待合室で改めて調べてみると、確かに「特定の国民向け」という窓口があった。

 

タブを開いてみると日本国籍が含まれることと資格不要の旨が書いてある。ここで初めて③の存在を知りました。

 

「特定の」とは大抵、難民や紛争地域出身の方のためだと、思い込んでいました。

 

大・反・省!!

 

これ、日本人の間では常識なのでしょうか・・・。私友達少ねえもんな・・・。

 

考えてみれば、資格保持者や大卒者以外は職につけない、というのも変な話。ただこの考えに至れる、そしてこれを用意しているドイツの寛容さにまずは感謝です。

(アメリカは駐在以外で学歴や資格と関係ない仕事に外国人がつくのはかなり難しいらしい)

 

というわけで、面談での話題はビザの種類についてだけ。心配していた雇用開始日だの保険だのは指摘されませんでした。

 

そもそも入口から間違えてしまったのか、ああ・・・。

契約開始日や健康保険に悩む以前の問題じゃないか・・・。

 

とめっちゃ落ち込んで状況が整理できないまま、その日は終了。

 

でも外国人局での提出はできたから、あとは雇用庁の判断を待つしかありません。返事は大体2週間後とのこと。

 

 

恒例の「生きた心地がしないWEEK」

 

本当は1週間だけでも日本に帰りたかったのですが、

この状態でドイツ国外に出てもいいのか不明。(学生準備ビザが再来年まで有効なので多分大丈夫だけど、念のため。)

 

もしくは旅先で突然、不足書類の指摘などの連絡があるかもしれないので、大人しくドイツにいました。

 

ただあまりに暇なので、傷心旅行と題して温泉地Baden-Badenに行きました。面白かったのでまた別の機会に書きます。

 

役所のようなルックスですが、この中に有名なサウナと温泉があります

 

約10日後「雇用庁の許可がおりました」の連絡

やったーーーうれしーーーー!!!

気になるビザの種類は・・・・?

 

 

②!!!!笑

半端な大卒資格しか提出できなかったのに・・・?平社員なのに・・・?

もうこの経緯については調べようがないので、ごめんなさい、わかりません。

後から困るような制限がついているかもしれないけど、

この身分でもドイツで働いてもいいとなっただけでええやないか。

 

電子カードを待たなくても就労できるとのことで、さっそく働き始めました。

 

状況は全く異なりますが、日本の難民申請って審査に6ヶ月かかるそうです。

 

日本よりもはるかに多い難民申請を処理しているドイツ。そりゃそちらの対応に忙殺されるに決まっています。そんな中でもこれほど早く処理してくれたことに、各方面の担当者に本当に感謝です。

 

まとめますと。

・日本国籍は学歴や資格に関係なく就労ビザを申請できる。

・オンライン申請は不可。

・契約開始日は空欄で通った。

・法的健康保険は入らなくても通った。(留学用だとしても今現在有効な保険に入っていることは示した方が良いでしょう)

・用意できない書類や状況については、会社からその理由を書いたカバーレターを貰うに越したことはない。

・就労ビザを新たに得る場合は、最悪2〜3ヶ月待ってもらえるか、会社に事前確認を!

・ZABの学位認定は取っておくに越したことはない。

雇用庁のホームページが充実している。

 

 

という感じでしょうか。

 

6月から「チャンスカード」が登場したり、状況は刻一刻と変わっています。

今後突然、一般的な就労ビザでもオンライン申請が可能になるかもしれません。

 

もし私と同じケースでビザを変更する場合は、今回の記事が参考になれば嬉しいです。

ですが、最新情報をチェックし、私のような思い込みをしないように、ぜひお願いします!!!

 

文字ばかりで温泉の写真しかないのに、

ここまで読んでくださってありがとうございました。

それではまた!!! Auf Wiedersehen!!

 

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